「やらない後悔だけはしたくなかった」──ワイン愛が導いた新たな一歩

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札幌・北12条エリアの一角に、温もりあふれるワインバーが静かに誕生した。その名は**「miiro」**。温かみのある店内が訪れる人々を優しく迎え入れ、心を解きほぐす。

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この店のオーナー林さんは、10年以上かけて400本以上のワインを収集してきた筋金入りのワイン愛好家だ。ワインをただ飲むのではなく、「誰かと分かち合いたい」という気持ちが、長年胸の奥にあった。

「ずっと会社勤めをしていましたが、ワインに関わる仕事がしたいという想いが消えなかったんです。会社員のままではそれを叶えるのは難しい。だったら、自分で店を開くしかないと決めました。」

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背中を押したのは、周囲の変化だった。親しい友人たちが次々と独立を果たす姿に刺激を受け、「40代で勝負しなければ、もう動けなくなる」と直感的に感じたという。

「ちょうどワインショップで働いていたとき、たまたま1カ月で知人が3人も独立したんですよ。あれが大きな転機でした。『自分も、今しかない』と。」

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物件探しという大きな一歩を踏み出すなかで出会ったのが、株式会社キタデンだった。信頼できる知人の紹介を通じて出会った担当者は、まさに噂通り、親身で全力。彼の不安を受け止め、力強く支えてくれた存在だった。

「物件が決まるまでが一番不安でした。でも、キタデンさんのサポートのおかげで、心強く前に進めました。」

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開業までの道のりは決して平坦ではなかった。とくに融資の手続きは想像以上に厳しく、何度も立ち止まりそうになった。

「面談では想定外の質問も飛んできて、本当に不安になりました。指示を待つのではなく、自分の頭で考え、決断しなければならない。会社員時代とはまったく違う世界でした。」

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さらに、物価高の影響で「今じゃない方がいい」と周囲に心配されることもあった。だが、彼の中で揺るがなかったのは、「やらない後悔だけはしたくない」という想いだった。

「やってダメだったら、それはそれで納得できます。でも、やらなかったことを後悔するのは嫌だった。だから、自分で自分の背中を押しました。」

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そしてもう一つ、大きな支えとなったのは家族の存在だった。中でも奥様の理解とサポートが、開業を実現させる原動力となったと振り返る。

※デザインは奥様作成。家族総出で開業のサポートをしてくれたとの事。

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「miiro」は、ワイン好きが集い、会話を楽しみ、人と人がつながる“場”を目指している。

「ただワインを飲むだけではなく、気軽に会話が生まれる空間にしたいんです。ワインを通して人とつながることが、この店のテーマです。」

開業後は、毎日が挑戦の連続。しかし、彼は満面の笑みでこう語る。

「本当にやってよかった。自分の限界にも挑戦できるし、新しいことにも挑戦できる。学ぶことばかりですが、それがまた楽しい。人としての幅が広がったと感じています。」

未来に対する不安よりも、今この瞬間の充実感とワクワクが勝っている──そんな言葉の端々から、彼のワインと人への深い愛情、そしてブレない信念が溢れていた。

店舗情報

店舗名：北12条の小さなワインバー miiro
住所：札幌市北区北12条西4丁目1−13 NYヴィラN12 1階
営業時間：17:00〜23:00
定休日：不定休